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2-1.ランディングページ×キャッチコピー
- 2020年5月20日
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- 自分で作るランディングページ (2)キャッチコピー
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- タナカアツシ

2-1.キャッチコピー
ウェブサイトは、最初からじっくり読むという人よりも、まず興味を持ち、その後は全体を流し読みして、さらに興味をひかれたらじっくりと文章を読むという人がほとんどです。
だから、ウェブサイトにおいては、一番最初に興味をひき、流し読みをしてもらうためのウェブサイト全体のキャッチコピー、そして、流し読みの際に要点を簡潔に伝えるための見出しが重要になります。
キャッチコピーは、ページを開いてすぐに目にとまる箇所に表示される(表示されている必要がある)ため、ほぼ必ずページを訪れた人の目に触れています。
ごくまれに、そもそも「キャッチコピーどこ?」といういうウェブサイトもありますが、それではしっかりと中身を読んでもらわなければ、お客さんには何も伝わりません。
冒頭で解説した大多数の人のウェブサイトの見方から考えると、まったく興味を持ってもらえず、一瞬でウェブサイトから離脱されてしまうことになるでしょう。
また、ただただ注意を引くことができれば良いというものでもなく、無関係な表現や誇大広告になってしまっても問題です。商品やサービスに興味を持ってもらう、あなたに必要なものですよということを伝えるためのキャッチコピーであることを理解しましょう。
キャッチコピーを作る上での7つのポイント
- 商品・サービスがわかる特徴・売り(セールスポイント)が含まれている
- 数字が入っていて具体的である
- 興味をひく印象の強い言葉が入っている
- 専門用語が使われていない
- メリット・ベネフィットが述べられている
- わかりやすい
これらのポイントを可能な限り含むようにするのが理想的です。
例えば、あるクリーニング屋さんのウェブサイトを開いたところ、とても目立つ場所に、「ただいま期間限定で冬物のクリーニングを割引中!」と書いてありました。
このキャッチコピーは、どうでしょうか?良いと思いますか?悪いと思いますか?
先ほどの7つのポイントを1つずつ当てはめて考えてみましょう。
- 商品・サービス=クリーニング
- 特徴や売り=なし
- 数字=なし
- 興味=期間限定・割引中
- 専門用語=使っていない
- わかりやすさ=わかりやすい
- メリット・ベネフィット=なし
商品・サービスはクリーニングと明記されています。これは、とても大切なことですし、書いてあって当然だと思われるかもしれませんが、実はキャッチコピーに商品・サービスについて書かれていない、非常に残念なウェブサイトはいくらでも見ることができます。
また、多少興味をひく言葉は入っていますが、具体的なことは何も書かれていませんね。インターネットに限らず、今の時代に何らかの商売をしていくにあたり、気をつけなければならないことの1つとして、「値段だけで勝負をしない」ということがあります。
値下げは競合との差別化を図ろうと思った際に、最も簡単に頭を使わずに出せるアイデアです。つまり、誰でも思いつくので、差別化にならないわけです。だから、独自性もまったくないし、価格競争を引き起こすだけでなく、利益率も下げてしまいます。
ましてや、インターネットは比較しやすい媒体ですから、ちょっと検索するだけで、いくらでも同じ商品・サービスを提供している会社を見つけることができます。
ただでさえ、中小・零細企業、個人事業は価格競争に弱いです。さらに、簡単に比較しやすいインターネットという媒体の特徴を理解せずに、値段だけで勝負をすれば、すぐに競合との価格競争に飲み込まれてしまい、最悪の場合、事業の継続が危ぶまれることにもなります。
そのため、価格の安さを強く打ち出すのではなく、価格以外の商品・サービスの特徴や売りをアピールするキャッチコピーをつくる必要があります。
多くの競合は頭を使わずに、とりあえず安くという戦略をとっているのであれば、逆にあなたは商品・サービスが競合と何が違うのか、何が良いのかをしっかりと伝えていくことが強みになります。
例えば、同じクリーニングでも、こんなキャッチコピーはどうですか?
業界経験10年以上の職人が、あなたの大切なコートを新品のようにキレイにします。
(スタッフの経験年数をアピールし、効果をわかりやすく表現)
翌日お渡し可能!お申し込みから36時間以内にあなたのコートをクリーニング!
(お申し込みから実施の作業までの迅速さをアピール)
さっきのキャッチコピーから受ける印象とは違いを感じませんか。
この2つのキャッチコピーは、価格についてはまったく言及していません。価格でない特徴や売りをアピールすることは、競合と比較されたとしても、比較する軸が異なっているので、単純な比較対象にならないわけです。
この比較する軸を変えることが「差別化」であり、自社の「優位性」の土台になります。競合他社とは違う、あなたのウェブサイトでしか得られないメリットを打ち出せば、自然と集客につながっていくはずです。
割引は、本当に何も思い浮かばない時の最終手段です。いや、値下げしか思い浮かばないような商品・サービスなら、お客さんにとっては本当に必要なものだとは思ってもらえないので、いますぐ別の商品・サービスに変えましょう。
価格の安さをアピールすることに頼らない、メリットやアピールポイントをどんどん掘り起こしてキャッチコピーを作ってみましょう。
そもそも自社の商品やサービスのメリットやアピールポイントがわからない、どうやって見つければいいのかを知りたいという場合は、『4章.ページ構成』で紹介しているコンセプトの作り方を参照してください。
まだまだ続きますよ(笑)次は、キャッチコピーに使う言葉についてです。
キャッチコピーには、なるべく興味を引く言葉を使うようにしなければなりません。
言葉自体にも強い・弱いがあります。でも、実際に、どんな言葉が興味を引くのかわからないという場合もあるでしょう。そこで、一つの例になりますが、一般的に興味を引きやすい言葉を紹介します。
興味をひきやすい言葉の例
格安、お手頃、セール、バーゲン、お買い得、限定価格、モニター価格、ご奉仕価格、送料無料、○○%オフ、半額、無料、タダ、もう一つプレゼント、大好評、大人気、絶賛!、バカ売れ、今人気の、イチ押し、リピーター続出、などなど…
言われてみれば、毎日のように見かける言葉ですよね。価格に関する言葉が多い印象を受けませんか?それだけ世の中の商品・サービスの販売者は割引に頼っているということです。
だから、あまり参考にして欲しくはないのですが、これだけ長い間、本当にずっと使い続けられているということは、このような強い言葉を使うことはそれだけ効果を期待できるということです。
ですので、こういった一般的な興味を引く言葉を参考に、価格面を打ち出さない、独自性のある言葉を組み合わせて使うことで、さらに効果が高まるようになるでしょう。
自分だけで考えるだけでは限界があるので、競合のウェブサイトや実際のお店をリサーチしていることをおすすめします。
例えば、インターネットでリサーチするなら、楽天市場などでランキングをチェックし、上位のショップページ、通販サイトを参考にしてみてください。きっとインパクトのある言葉がゴロゴロ見つかると思います。
続いて、キャッチコピーの中で、『商品やサービスの概要ではなく、メリットを述べる』という点についてです。
商品・サービスの概要とは、機能や仕様のことです。
例えば、テレビについて当てはめてみると、
- 1週間分のテレビ番組を録画できるテレビです。
- 薄型のテレビです。
というのが、テレビの機能や仕様を書いたキャッチコピーになります。
この場合、テレビの機能や仕様はわかりますが、お客さんにとってのメリットや利点は一切書かれていません。お客さんにとってのメリットがわからないということは、「ふーん」とか「それで?」という感情しか生みません。
これが、「ボタン一つで冷蔵庫に変身するテレビです」ぐらいのインパクトや機能があれば、それでもいいですけどね(笑)
ですから、キャッチコピーに機能や仕様を含める場合は、お客さんの視点のメリットとして書きます。
それでは、先ほどのキャッチコピーの機能や仕様をお客さんのメリットに変換してみましょう。
- 1週間分のテレビ番組を録画できるテレビ→1週間以内なら、いつでも見逃してしまった番組を見ることができるテレビです。
- 薄型のテレビ→どんなお部屋に置いても邪魔にならないテレビです。
いかがでしょうか。
ちょっと魅力的になったと思いませんか?このように、機能説明に加えて、お客さんの生活様式に合わせたポイントを追加するだけで、十分に魅力的なキャッチコピーに変わるということです。
では、実際に機能や仕様をメリットに変換する手順をご紹介しますね。
ステップ1.機能や仕様に、具体的でわかりやすい説明を加える
- 1週間以内なら、いつでも見逃してしまった番組を見ることができるテレビです
- コンパクトでどんなお部屋に置いても邪魔にならないテレビです
ステップ2.お客さんの使い方を考えて書き直す
- 帰宅時間が遅くなって見逃してしまった連ドラも、1週間以内であればいつでも見ることができるテレビです
- テレビ台に置くだけでなく、壁掛けでも設置できる置き場所に困らないコンパクトなテレビです
ステップ3.無駄な言葉を削ぎ落とし、アピールしたいポイントを端的にまとめる
- 1週間以内なら、いつでもすぐに見逃してしまった番組を見ることができるテレビ
- どんなお部屋にも邪魔にならないテレビ
このようにして、機能ではなくメリットに変換したキャッチコピーをつくることができます。キャッチコピーは、それだけでも解説書がたくさん販売されているほど、奥が深いものです。
キャッチコピーを変えただけで売上が数倍になったという商品やサービスも、珍しいものではありません。
ですが、奥が深い分、追求するとキリがなくなりますので、今回解説した方法を試すだけでも、だいぶお客さんの興味をひくようになると思います。まずは、試してみてください。
もし、もっとキャッチコピーについて知りたい、より興味をひくキャッチコピーの作り方を覚えたいという場合は、より専門的な書籍や、他社・他業種の広告、キャッチコピーなどを参考にしてみてください。
第一印象の章でも出てきましたが、電車の中吊りや雑誌の表紙、書店の手書きポップなど、参考になるものは街中にあふれていますので、街に出てみてください。
「これは使える」と思ったものはメモしたり写真に撮ったりして持ち帰り、あなたの商品やサービスに使えるかどうかを試してみるのはいかがでしょうか。このようなメモを蓄積していくことで、強い言葉や興味を引きやすい言葉がわかるようになってきます。
また、キャッチコピーをさらに分解し、単語を入れ替えるだけでも、かなり印象が変わります。
単語の入手先として、実際の広告や読んでいる本などから入手するという手もありますが、さらに面白い場所としてはスーパーマーケットやディスカウントストアなどがあります。
並んでいる商品は、一流企業が人・金・物を投資して研究開発した結果、やっとの陽の目を見た選りすぐりの商品です。
もちろん、そのような中にはまったく売れずに消えていってしまうものも、たくさんあります。
が、全ての商品に共通しているのは、「ネーミング」にも力を入れているろいう点です。短くてインパクトがあり、興味をひく言葉を研究、リサーチし、何度も会議を重ねて決定しているのです。
例えば、「芳醇」「極」「ハーフ」「一番搾り」「プレミアム」「超熟」などなど、ちょっと見て回るだけで、いくらでも言葉が集まります。
商品やサービスによって使える、使えないはあると思いますが、このようにアンテナを張って、気になったらすぐにチェックしてメモるという習慣をつけましょう。このメモがあなたの財産になります。
この一連の作業でキャッチコピーができ上がったら、次はキャッチコピーの画像化です。視覚的にも、より興味を持ってもらいやすくデザインしていきます。
具体的には、ここまでで説明してきたキャッチコピーに含めるべき数字や言葉、これらを強調するというようなテクニックがあります。
キャッチコピーとは言っても、文章全てを強調すれば目立つということではありません。キャッチコピーの中でメリハリをつける必要があるのです。